SNSキャンペーン実施にあたって景品の選定は「景品表示法」(略称:景表法)に従う必要があります。SNSキャンペーン・デジタルキャンペーンでも同様に景表法に従う必要があります。どのようなキャンペーンの場合にどのような制限が課せられるのかわかりやすく解説します。
こちらは消費者庁のページに掲載されている情報を基に作成しています。最新の情報については消費者庁のページをご確認ください。
目次
景品表示法(景表法)とは?
景品表示法は 「一般消費者の利益保護のために」制定された決まりです。景品表示法では事業者の「過度な景品」により、消費者の利益を損ねたり、不健全な競争が発生してしまうことを防止する役割があります。
景品表示法は、商品やサービスの品質、内容、価格等を偽って表示を行うことを厳しく規制するとともに、過大な景品類の提供を防ぐために景品類の最高額を制限することなどにより、消費者のみなさんがより良い商品やサービスを自主的かつ合理的に選べる環境を守ります。
https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/#introduction
景品表示法上の「景品類」とは、下記の条件に合うものであり、 景品表示法に基づく景品規制が適用されます。
- 顧客を誘引するための手段として、
- 事業者が自己の供給する商品・サービスの取引に付随して提供する
- 物品、金銭その他の経済上の利益
注意すべき懸賞の種類
景品表示法に基づく景品規制は下記3つのパターン(オープン懸賞は参考)があり、それぞれ、提供できる景品類の限度額等が定められています。限度額を超える過大な景品類の提供を行った場合などは、消費者庁長官が当該提供を行った事業者に対し、何らかの措置がとれられる場合があります。
一般懸賞
商品・サービスの利用者に対し、くじ等の偶発性、特定行為の優劣当によって景品類を提供する場合の懸賞です。
【一般懸賞の例】
- 抽せん券、じゃんけん等により提供
- 一部の賞品にのみ景品類を添付して外観上それが判断できない場合
- パズル・クイズなどの回答の正誤により提供
- 競技、遊戯当の優劣により提供
【SNS/デジタルキャンペーンでの例】
- 商品購入時に得た応募券でメールアドレスを入力するインスタントウィン
- 購入レシートを送信するインスタントウィン
【一般懸賞の景品類の限度額】
【NG例】
10,000円の商品を購入すると抽選で15万円があたる
取引価格は10,000円なので懸賞の最高額は10万円以内に抑える必要があります。今回は15万円が設定されているため違反です。
共同懸賞
商店街や一定の地域内の同業者が共同して行う懸賞です。商業施設に入っているテナントが共同で実施するレシートキャンペーンやスタンプラリーキャンペーン、マストバイシリアルキャンペーンなどがこれにあたります。
【共同懸賞の例】
- 一定の地域(市町村等)の小売店またはサービス業者が共同で実施
- 中元・歳末セール等、商店街が共同で実施(年3回、70日まで)
- 「電気祭り」当、一定の地域の同業者が共同で実施
【SNS/デジタルキャンペーンでの例】
- 市町村・商業施設などが共同で実施するレシートキャンペーン
- 市町村・商業施設などが共同で実施するインスタントウィンキャンペーン
【 共同懸賞 の景品類の限度額】
【NG例】
ショッピングモールで購入したレシートで参加すると、500万以上の高級外車があたる
最高金額を30万以内に収める必要がある。
売上予定総額が1000万の商店街キャンペーンで、当選品の合計が100万円
売上予定総額の3%は30万であるため、当選品の合計は30万を超えてはならない。
総付景品
賞品の購入者や来店者に対してもれなく提供する景品です。絶対当たるキャンペーンなどがこれにあたります。
【総付け景品の例】
- 商品の購入者全員にプレゼント
- 来店者全員にプレゼント
- 申し込みや来店の先着順にプレゼント
【NG例】
- 900円の商品を購入すると必ず500円のクーポンがもらえる
取引金額が1000円未満の場合、最高額は200円。
- 合計2000円のレシートを送ると全員に500円のキャッシュバック
最高額は取引金額、2000円の2/10なので、400円まで。
※次のようなものは景品規制には適用されません※
- 商品・サービスの販売に必要な物品、サービス
- 見本、宣伝用の物品・サービス
- 自店または自店と他店で共通して使用できる割引券
- 開店披露、創業記念等で提供される物品サービス
オープン懸賞(参考)
以上3つのほかに、参考として商品の購入などを応募条件としない「オープン懸賞」の場合を掲載します。
景品表示法上、商品・サービスの利用者や来店者を対象として金品等を提供する場合は、「取引に付随」して提供するものとみなされ、景品規制の適用対象となります。しかし、新聞、テレビ、雑誌、ウェブサイト等で企画内容を広く告知し、商品・サービスの購入や来店を条件とせず抽選で金品等が提供される企画には、景品規制は適用されません。このような企画は、一般に「オープン懸賞」と呼ばれています。
オープン懸賞で提供できる金品等の最高額は、従来、1000万円とされていましたが、平成18年4月に規制が撤廃され、現在では、提供できる金品等に具体的な上限額の定めはありません。
【注意】商品を商品を購入してその写真をSNSにアップロード、ハッシュタグをつけてアップロードするハッシュタグキャンペーンの場合には、「商品購入」が必要になるのでそれぞれの規制に従わなければならない可能性があります。
景品規制の概要
https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/premium_regulation/
景品表示法に違反した場合
違反行為が認められた場合は、消費者庁は、当該行為を行っている事業者に対し、違反行為を行わないことなどを命ずる「措置命令」を行うことや、違反のおそれがある場合などに事業者に対して課徴金の納付が命ぜられることも(課徴金納付命令)あるようです。
〇違反した場合
https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/violation/
〇実際に検挙された例
まとめ
様々なパターンがありましたね。下記がまとめです。制限に従ってキャンペーンの運用をしましょう。
一般懸賞
- 条件:商品・サービス利用が必要で、くじ等の偶発性、特定行為の優劣当によって景品類を提供する場合
- 上限:あり
共同懸賞
- 条件: 商品・サービス利用が必要で、一定の地域内の同業者が共同して行う懸賞
- 上限:あり
総付景品
- 条件:賞品の購入者や来店者に対してもれなく提供する景品
- 上限:あり
オープン懸賞
- 条件:商品購入や来店を条件としない場合
- 上限:なし
景品規制の概要
https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/premium_regulation/
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